でもね。なぜか嫌いにはなれなかったの。


奈摘じゃなかったら嫌いになってたかもしれない。


奈摘だったから、どんなに怖くてもきらいには、なれなかった。



「ひーなっ、次移動だよぉ♪」


さっきの怖い奈摘はいなくなってた。



いつものように明るい笑顔を見てたら、さっきの事が夢のように思えてくる。



でも、現実だ。紛れもなく。



耳に残ってる。
さっきの奈摘の声が…言葉が…。