「俺の親父…、自殺したんだ。」




自…殺?!




「な…んで?!」




衝撃のあまり言葉を詰まらせてしまう。


【驚き】も大きかったけど、


【悲しみ】もドッと襲ってきた。



「親父、企業起こそうとしてすごい額の借金してさ。


…一時は、その会社もいい感じだったんだけど、結局倒産。



…母さんとは毎日ケンカばっかだよ。」




なんだか遠い話だった。
あたしも特別、お金持ちでもなかったけど



でも、その話を身近に感じられなかった。




「…それでも、親父は母さんをずっと愛してた。


母さんはそんな親父の気なんか知らないから


どんどん愛想つかしていったんだけど…。」



笑った。悠亮が。

最近よく見せるようになった、無理矢理な笑顔で。