風が吹き、あたしの髪は思いっきりなびいて乱れる。



その髪を手のひらでかきわけながら、周りを見渡した。



「ここは……?」



悠亮は両腕をのばして大きく背伸びをする。



「ゴメン、田舎に連れて来て。」



そう。



あたしが連れてこられたのは、遊園地でもない、ショッピングモールでもない。


…遊ぶところがあまりない田舎の方だった。




「…ううん…。」



そう言って笑って見せたけど、本当は乗り気じゃなかった。



だって…クリスマスに…
しかも初デートに。



こんな田舎につれてこられるなんて…。