わざとなのか、いつもなのか、ゆっくりと歩く主任の後ろを、
私はただ、
まるで戦いに向かうかのように、前のスーツの背中を睨みながらついて行った。
知らない土地。
実際どこに当の店があるのかも分からない。
ただ、ついて行くしかできない私。
時折、私を振り替える主任。
逃げようと思えば、いつでも逃げられた。
でも。
そうは思わなかった。
振り替えって、私を見ては、甘い笑顔をする主任。
くそガキ一人、今、消えたところで、なんら痛いことはないだろう。
でも。
いちいち振り替えって確認しているのは、
私がいなくなるのでは?
という思いではなく、
“お前は来い。”
だったんだと。
後に思い知る―――