触れたい手が。

触れたい頬が。


ほんの少し手を伸ばせば
届くところにあるのに。



触れてしまえば
夢が醒めてしまいそうで
なかなか触れられない。



でも…触れたい。





「触っても…いい…?」



消えてしまいそうな
か細い声でも、
桜井さんには
辛うじて届いたみたい。



身を屈め、
目線をあたしに
合わせてくれた。



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