あたしの右手を取り、 桜井さんと手を繋いで ドームの階段を駆け下りる。 まるで、 魔法が溶ける前に 逃げるシンデレラみたい。 でも、 シンデレラとは違う。 王子様と手をつないでるから。 ひとりじゃないから。 後部座席のドアが開いた 車が待ち構えていた。 滑るように二人で乗り込むと、 勢い良く発車した。 .