「どうしたって……、」
その血なに?大丈夫なの?
俺は焦ってるのに、本人は呆れた表情を浮かべてる。
「心配しなくてもストレスか何かだろ。そんな、心配することないから。」
なんて軽く言うし、後日病院行って異常はなかったってナミから聞いたからその話はそこで終わってた。
ずっと気にしてたけど、その日以来に吐血するところは見なかったし、ナミの体に特に変わったところはなかったから……
三カ月経ったころには俺はもう忘れてた。
だけど、一ヶ月前にナミがいきなり倒れた。
11月になったばかりなのに、その日は真冬並みに寒かった。
近くに出来たイタリアンに二人で食べに行って、寒空の下歩いて家まで帰る。
今日は特別寒いだの、次はあのデザートが食べたいだの、他愛もない話をしながら歩いてる途中、ふと空を見上げれば満天の星空。
「ナミ見て、すげー星。」
空を見上げながら言うけど、後ろにいるはずのナミは何も言ってくれない。
「なあ………」
聞いてる?って振り向けば、苦しそうに顔を歪めながらコンクリートの地面に手をついてるナミの姿が。
「……ナミ!?ナミ!!」
「…ッっ、ゲホゲホ………ッッ!!」
咳き込む口を押さえる手の合間から落ちる真っ赤な、血。