料理なんてナミのお手伝い程度でしかしたことなかったけど、想像以上の自分の料理の下手さに流石にちょっとヘコむわ。
「つーかさ、クオ大丈夫か?」
「え?」
いきなりの竜の言葉に驚いて、なんでって聞く。
「最近なんか元気ないし、ちょっと痩せた?」
痩せた、かなぁ……?
自分じゃあんまり分かんない。
もともと少食だし、最近はレトルトすら作るのすら面倒くさかったり、食欲なかったからしな。
「バイトのこと聞いてきたり、いきなり料理したり何かあったんじゃね?」
「……………。」
ナミのことを竜に話すべきなんだろうか。
でも、睦野らのこともあるし、これ以上竜に迷惑かけたくない。
だから何でもないと誤魔化した。
ちゃんと…笑えて言えたと思う。
俺と竜は珍しく二人そろって午後の授業をぜんぶ受けて、HRも教室にいた。
他愛もない話をしながら下駄箱でスニーカーに履き替えていると竜じゃない声に名前を呼ばれた。
振り向けばほとんど話したことのないクラスの女子が困った表情で立っていた。
「なに?」
「あの、正門に立ってた男の人に麻生クオ連れてこいって言われて……。」
男の人、なんてルキしか頭に浮かばない。
しかし、金髪?って聞くと彼女は横に首を振った。