ここ一カ月くらいそんなんばっか。
成長期にそんなレトルトばっか食ってちゃマズいよな〜…。
「なにそれ…。」
竜が俺の机の上にあるものを指差す。
「べんとー」
少しだけ眉間に皺を寄せる竜をスルーして、卵焼きを食べた。
んー…、ちょっとしょっぱい、か?
「いや、もはやしょっぱいを通り越して辛いから。」
「…………だよな。」
このままだとマズいと思い、とりあえず弁当から頑張って作ってみたものの、しょっぱいしコゲたし綺麗に巻けねえし……やべぇ、料理ってムズカシイ。
卵焼きすらまともに作れねぇなんて……。
箸で摘んだコゲた卵焼きをむむむ、と睨んでると俺の腕を掴んだ竜が卵焼きを自分の口の中に入れた。
「あ。」
「……でも、まあ、悪くはねぇ、よ?」
いや、かなりたどたどしいですけど。
でも竜なりの優しさが嬉しい。
「もうちょっと味見しながら、味付けしねぇとな。」
「竜、料理出来んのっ?」
「いや無理だけど…。でも、卵焼きくらいなら作れるかな。」
………あ、そ。呟いて野菜炒めにいれたにんじんを食べる。
………固いし味がしねぇ。