「ルキって結局何なの？」
翌日、病室を訪ねた俺は、真っ赤な苺を食べていたナミに聞く。
「え、いきなり……つーか、クオ。その顔どうした？」
「殴られた。」
「ルキに！？」
「違う。」
「………だよな、いくらアイツでも一応大人なんだし。さすがに中坊…しかもクオみたいな可愛い子の顔面殴ったりしねーよな。」
一人でぶつぶつ呟いているナミに、ルキは助けてくれた。と伝えた。
するとナミはだいたいの流れを悟ったらしくあぁ、と言って口角を上げた。
「なんだかんだ言ってもいい奴だろ？」
「……………わかんない。」
だから困ってる。
ベットにうなだれる俺の口にナミは笑いながら苺をひとつ放り込んだ。
「…………美味しい。」
「ルキがくれた。」
「あ、そ……。」
つか、よくこんな寒い時期に苺なんか手には入ったな。
口を開けたらもう一個くれた。
うん、美味い。
