「………」

ウノサスの言葉に女は少しだけニヤリと笑ったが、すぐに表情を戻して言った。

「標的捕捉。
侵入者、排除開始」

女の瞳が妖しく光ると同時に両手が手首の中に引っ込み、代わりに長い鉄の板が何枚か重なった妙な形状の物が出て来る。

そしてそれがパラパラと広がり、大きな扇子となった!


『奴の得物は鉄扇か!』

女は扇を振りながら、舞うように襲い掛かって来た!

「くっ!」

俺は咄嗟に螺尖亢を構えて鉄扇の斬撃を防いだが、螺尖亢ではこの素早い連続攻撃には対応しきれない!

「かと言って、武器を取り替えてる余裕も無い!
こいつに構ってる暇は無いというのに…」


ガギッ!


その時、女の攻撃が止まった。

「ウノサス、エルダ!
私に任せて早く地下へ!
女には女が相手するわ!」

蜂姫が俺達の間に割って入り、女の鉄扇を針のような武器で受け止めていた。

『確かに…
この女のしなやかな動きに対抗できるのは蜂姫しかいない…
エルダ、俺達は俺達の仕事をするぞ!』

「あ…ああ!」

俺は後方宙返りで蜂姫のそばから離れ、逆立ちの姿勢で螺尖亢を地面に突き立てた。

「地を穿(うが)て…
神雷萬衝・螺尖亢!!」


ドゥリュルルルルルッ!!


光速回転する水晶の竜巻は、まさに怒涛の勢いで俺を地中へと導いて行く!

「一気に突き抜ける!!」



……………