「慌てるなよ、蜂姫。
劣勢の悪党が人質を取る展開ってのはな、完全に負けパターンなんだよ」

そう言うウノサスは、既に蜂姫を抱きかかえていた!


濁流の向かう先には、当然誰も居ない。

その場を一歩も動いていないように見えたのに、何という…

(速い!!
全く見えなかった…)


「究死配者の実力って、そんなモンなのか。
それともリ・シュウやラシスと戦った奴が強かったのか?
ところで…
もう出し物は終わったな?
じゃ、こっちの番だ。
行くぞ、透徹!」

「応よ!」

静かに蜂姫を降ろしたヴィロ・ウノサスは透徹と並び立ち、ダグマスと対峙した。

「神雷萬衝を使うまでも無い。
コンビネーションで行く!」

「承知!」


ゥヲオオオオオン!
グルウアオオオウ!


ウノサスは狼、透徹は虎の姿にそれぞれ変化、ダグマスの高速水流放射の合間を縫うように駆け、逆にダグマスを翻弄する!

互いの繰り出す猛攻が、無数の残像を生み出した。


『く…
な、何て速さだ!』

だがダグマスも負けていない。

ただの神レベルで見切ることはできない攻撃速度は、流石に究死配者を名乗るだけはある。