そんなある日


真瑠から笑顔を奪う事件が起きた。


丁度俺の家族が海外に引越す事が決まった7月の初旬…。

その日は梅雨も明けてないのに、よく晴れて気持ちのいい天気だった。



授業参観の日の朝



登校班で学校に行く途中…



「今日はパパとママが、学校に見に来てくれるねっ!
楽しみ♪♪」



朝からウキウキな真瑠。



「そうだね。
真瑠嬉しいの?」


「うん!
私頑張って発表して、パパとママびっくりさせるんだぁ!ハルくんも頑張ってね!」


「うん。頑張るよ!」



今日はいつも以上の笑顔で、相変らず自分の背中より大きなランドセルをゆさゆささせながら、スキップで登校している真瑠。


もう…可愛いなぁ。


なんてゆうんだ?


こうゆうの、


"目に入れても痛くない"


っていうのかな?


うん。


きっと真瑠ならそれ位可愛い。


俺の目の前を行く真瑠の姿をそんな事を考えながら歩く。

そして自然とニヤけてる俺。

ちょっと怪しいか?


いいんだ、怪しくても。


真瑠を見てるのが好きなんだから。