入口の方にツカツカ歩いて来る岸田さんが、ぼーぜんとしている私に気が付く。
「………。
ふんっ。」
私の事を下から上までジロッと見て鼻で笑った。
自分の格好が、一時間程前と違う事に気が付いてちょっと恥ずかしくなった。
「何、のこのこ来てるのよ!
茅流さんは、随分とお人好しの様ね…。」
戸惑っている私に小声でそう言って、岸田さんはお店を出て行った。
ってゆうか、感じ悪!
後味の悪い去り際の一言で、我に返った。
でもなんで?
彼女がココにいたんだろ?
なんで怒りながら帰ったの?
茅流さんもしかして、お詫びって言いながら岸田さんも誘ってたのかな?
あぁ…
そうか。
私も来るって聞いて、怒って帰っちゃったのかな?
そしたら私って
おじゃまだったんじゃ…。
私なんかが、浮かれてこんな格好して来るべきじゃなかったね。
明らかに茅流さんと岸田さんの方が
お似合いだもんね…。