数時間後…
とうとう今年が終わる
夜の町に響く除夜の鐘
……。
「ハルくん、このワイン開けちゃおう!
まだまだイケるだろぉ?」
「はい!
おじさんには、負けないっすよ~!!」
ハルくんは結局お父さんに言いくるめられて、家で年を越す事になった。
"どうせ家帰っても1人だから嬉しい"
そう言って快く、お父さんと飲んでる。
お酒が回って2人とも楽しそう。
って言うよりお父さんが楽しそう。
「いやぁ、嬉しいよ。
ハルくんは息子みたいに、小さい頃は一緒に遊んだからな。
キャッチボールしたり、サッカーしたりさ。
息子がいたらしたかった事をハルくんがやってくれたから、俺にとっては子供みたいなもんだよ。
今もこうして一緒に飲んでくれて嬉しいよ。」
お父さんは嬉しそうにハルくんに言ってる。
「ハルくん真瑠を頼むなぁ。」
―――!!!!
いきなり何いってるのよ?
「もぅお父さんっ。」
「はいっ!」
私がお父さんの暴走を止めるのと同時に、ハルくんはしっかりお父さんを見て返事をした。
ハルくんの真剣な表情に、私とお父さんは目を合せた。