「ハルくんそこ座って。
蕎麦も食わんか?
沢山つゆ作ったからさっ。」
そう言って、台所に行くお父さんはなんだか楽しそう。
ソファに座るハルくんに温かいお茶を入れて出す。
「真瑠も座ってて良いぞ?
もう出来るから。」
「うん。
ありがとう。」
お父さんに言われて、私もソファに座った。
「家、昔と変ってなくて落ち着くな。」
「うん。」
嬉しそうに懐かしそうに、部屋を見渡すハルくん。
何か不思議な感じ…
ハルくんが、家で私の隣りに座ってる。
その光景が、くすぐったい。
その横顔と部屋の背景が重なって、昔の記憶と重なる。
ここでママの作ったたまごタルト良く食べたな。
ハルくんと行ったレストランのたまごタルトは、ママの作ったタルトとよく似てた。
あの時私の涙を拭ってくれたハルくんの手は、昔と同じ様に温かった。
お父さんとこんな風に笑顔で同じ部屋に居るのも
ハルくんのお陰
ハルくんの事思い出したのがキッカケなんだもん。
全部ハルくんのお陰
帰って来てくれてありがとう
ハルくん