動き出した車の中。
寒い中歩いて来たからか、真瑠のホッペはほんのりピンク…。
可愛い。
さっき思わず真瑠と手を繋いだ。
柔らかくて小さな真瑠の手。
思ったより冷えてたから、コートのポケットに入れた。
恋人同士みたいに。
俺これ位でなんか舞い上がっちゃって、ガキかっつーの…。
ハンドルを握っている手にもまだ感覚が残ってる。
「どこに行くんですか?」
「…秘密。」
不思議そうに聞く真瑠に、そう俺は答えた。
―秘密―
そう答えたけど、ホントは行きたいトコなんて無いんだ。
ただ
真瑠と一緒に居たかった。
真瑠と居れるなら何処でもいいんだ。
騙してごめんな真瑠。
さて、どうしよう?
行きたい所…
真瑠は何処行きたい?
なんて今更聞けないしな。
今は3時…
この時間からじゃ、あんまり遠くには行けないし。
あ!
そうだ!あそこがいい。
あの場所に行こう。