意を決して茅流さんの目を見る。



「今日は何か予定入っちゃってる?」



………。



言おうとおもったのに…。



先に喋られてしまった。



「えっと…年越し蕎麦を父と食べる約束をしてる位です。」



私がそう答えると、茅流さんは嬉しそうに言う。



「お父さんと?
…じゃあ夜までだったら空いてる?
行きたい所があるんだ。」




…どこへ?


えっと…


どうしよう…。


いつ言おう?



まだ言うチャンスはあるか…。




「ハイ…。」



一緒に居ればまだ言い出すチャンスがあるかも


そう思って、一言とりあえず返事をした。



「じゃあ行こっか?」



腕時計を見ながら茅流さんは立上がり、会計を済ませてる。

私も慌てて席を立って、後を追う。


茅流さんは店の扉を押えて待っていてくれていた。



「とりあえず車家だから、行きましょうか?」



そう言って歩き出した茅流さんの横を並んで歩いてく。