その日の夜また夢を見た。



またあの家の前の公園で
あの男の子と遊んでる夢。



"真瑠~!
セミの抜け殻みつけたー!"


笑顔で走って来て、小さな手のひらに3個蝉の抜け殻を乗せてる。



"真瑠に二つあげる"



そう言って、私の手のひらに2個乗せる。



"ハルくんありがとう!"



私はお礼を言う。



ハルくん…

そう呼んでいたの?



暫く遊んでる2人

小さな私が転んだ。



私はセミの抜け殻をしまっていたスカートのポケットを覗く…。


粉々になったセミの抜け殻。


"真瑠っ!大丈夫か?
ケガして無い?"



ハルくんが私の所に急いで来て、膝や腕を確認してる。



私は座りこんだまま、大泣き。



"ハル…くん…
セミさんが…
セミさん死んじゃったよぉ…"



そう言って、ワンワン泣いている私の頭をハルくんは撫でて言った。



"コレは抜け殻だから、セミは大丈夫だよ。"



"でも…ハルくんが、せっかくくれたのに…"



"もう一個あるからコレあげるよ。
だからもう泣かないで"



そう言って私の涙を、ハルくんが指で拭ってくれてる。