私は道を渡って、家の前まで行く。


塀が高くて中は見えない…。

この中に凄く大切なモノがある気がする。


そう思えて仕方なかった。



少し塀づたいに行くと門。


横にローマ字の筆記体で描かれた表札が付いていた。



【CHIRU】



「…チ…ル?」



私は表札の字を読んで、動けなくなった。



頭の中も真っ白。



チル…って。



まさか…



でもこんな


珍しい名字…


そうそういる訳ない…。



だとしたら



茅流さん?



私はハッキリしない頭の中



必死に考える。



だとしたら、茅流さんは私の事を知っていたの?