朝の空気はまだ澄んでいて、冷蔵庫の中みたいに冷えていた。
茅流さんのマンションを出た私は、コートを羽織りながら足速に駅に向って歩いてる。
頭の中はグチャグチャ…。
何が起きたのか良く理解出来ないまま、とにかく歩いてた。
あっという間に駅についた。
歩いただけなのに、心臓がバクバクしてる…。
駅はまだ人もまばらでガランとしてる。
もぅ始発はでて居たけど、次のが来るまで15分。
休日だから、この時間の本数が少なかった。
ホームに降りて電車を待つ。
その間にも、さっきの茅流さんの表情や抱き締められた感触が蘇ってくる。
私…告白されたんだよね?
茅流さんの瞳も声も真剣だった。
『俺の事ちゃんと見てくれよ』
そう言って、茅流さんが掴んだ私の右腕。
茅流さんの手の感触が、そのまま残ってる。
静まらない私の胸のドキドキ
胸が、きゅうっと締め付けられて苦しくなる。