「卒業おめでとう。」



私はどうしても、素通り出来ずに笑顔の伊原君に言った。


「おめでとう…って青野さんもじゃん。」



そう言って笑ってる伊原君。

私もつられて笑顔になる。



やっぱり伊原君の持ってる空気は温かい。


目の前に居るだけなのにホッとするよ。



「俺…どうしても青野さんと話たくて。
図々しいけど最後だし、送って行っていい?」



―最後―


その言葉に胸の奥がチクッとする。



2人で並んで歩きだす。


懐かしいな


一年半も前に私伊原君と並んで歩いたな…。


手をつないで。


凄く昔の事みたい…。


なんか照れるな。



お互いに無言のまま歩いてく。