「青野さんっ!!」



階段の途中で、後ろから私を呼ぶ声。


振り返ると意外な人。



「相田さん…。」


「青野さん…。
私…ごめんね…。
あの時の事本当にごめん。
許してくれるとは思って無いけど…今更だけど。
ごめんね…。」



私の目を見て真剣な顔で、相田さんは謝った。



本当今更…



でも



だけどいいの



もぅ終りだし



相田さんの瞳は本当に真剣だったから



ごめんって言葉に



嘘は無いと思った。



「うん。
もぅ大丈夫…。
じゃあ…元気でね。
バイバイ。」



そう言いながら、私は久しぶりに自然と笑顔になっている自分に気付く。



「バイバイ。
ありがとう。
青野さんも元気でね…。」



歩き出した私の後ろから相田さんの声が聞えて振り返って、相田さんに笑顔を向けた。


相田さんは瞳を潤ませながら手を振ってくれた。



それをみたら、なんか気持ちが少し楽になった。