「大人しくしてれば、こんな目に会わないのにね?
青野さん。
あんた昼間っから、路上で男と抱き合ってたんだって?
純情そうな顔してよくやるね。
そんな表情で、男たぶらかしてるんだろ?
見掛けによらないな、女って。
俺にもして見ろよ?
出来るんだろ?
みんなお前の事そう言ってんぞ?」
そう言って頬に触れてた先輩の指が、私の唇をなぞって顎を掴んだ。
とっさに感が働いた。
キスされちゃう…!
イヤだ!!
声にならない叫び声が心に響く。
近付いて来る顔を見たく無くて、目を強く潰れる事しか出来なかった。
生暖かい物が、一瞬唇に触れたと同時に
"カシャ"
って音が耳に響いた。
体が開放されて、音がした方を見ると相田さんが笑いながら立っていた。