気が付いた頃には
もうすぐ6時…
大分日が陰ってきたな。
すっかり誰も居なくなった廊下は、薄暗くてひっそりしてる。
不気味な位に…。
いい加減帰らなくちゃ…
こんな暗闇から見てたら
まるで怪しい人だよ。
そう思って、いつもの階段を降りて行く…
薄暗い階段を降りて行くと、人影。
一瞬ビクッと強張る私。
ジャージ姿の男子が立っていた。
俯いて壁に寄り掛かって立っている様子が、余りに不気味で急いで通り抜けようと早足になる。
前を通り過ぎて、ちょっとホッとした時
「あんた、青野真瑠?」
低い声がした。
恐る恐る振り向くと、その男子が無表情に私を見ていた。
「……。」
どこから沸いてくるか分からないけど恐怖で、言葉も出ない。
そんな私をみて、その男子はニヤっと笑みを浮かべて
「ビンゴだな。」
そう言って近付いて来た。