「今日はありがとう。
ご馳走にもなって、コレも嬉しかった。」


駅の改札を出てロータリーでお別れ…。
1日のお礼を言う。



「うん。
俺も、一緒に居れて嬉しかった。
ありがとう…。」



ふわっ…



へっ…??



伊原君が笑顔で私にお礼を返してくれて


今、私すっぽり伊原君の胸の中に収まってる…。


私を包んだ伊原君の腕に力が入って、私の頬が伊原君の胸にピッタリくっつく。


ドキン…ドキン…


伊原君の鼓動


私より早い…。



「ごっこめんな、急にっ…。」



伊原君がそっと私を離して言った。



「う…ん…。」



私はちょっと放心気味…。



「じゃあ…。
また学校でなっ!」


「うん…バイバイ。」



伊原君と別れて歩き出す。


その時、3人の同じ学年の女子とすれ違った。


さっきの見られてないかな?

ちょっと不安になる。


すれ違った子達を、一度振り返って見てみたけど…


普通に話ながら歩いてるから
やっぱり大丈夫かな。


でもやっぱり何か早く家に帰りたくなって、小走りで家に帰った。