なんだか良い人なのかも伊原君…。
優しいし、いつも笑顔だし。
5月の風にそよそよと吹かれている、柔らかそうな髪の毛。
半袖の袖口から伸びた、程よく筋肉のついた日にやけた腕。
何度見ても整った小さくまとまった顔…。
でも話しかけずらい感じも無くて、ひたしみやすくて…
だからみんな伊原君を王子って呼ぶのかな。
みんなに愛されるオーラを持ってる。
思わず見入ってしまっていたら、伊原君が私の目線に気付いて私の方を向く。
切れ長の澄んだ瞳に私が映る。
顔が近くて私の心がドキドキしてる。
普通のドキドキじゃなくて
凄くドキドキ。
身動きがとれない位ドキドキしてる。