ピンポーン・・・

開いた扉の前に居たケータの顔は困惑している。
「ケータ・・・あたし・・・」

「自分の体にまで・・・否定されちゃった・・・」
こぼれ落ちそうになる涙をこらえながら無理矢理笑いながら話したあたしの顔はきっとこれまでに無いくらい滑稽だっただろう。

『否定?どうして?』

崩れ落ちそうになるあたしの体を支えて部屋に連れて行きながらケータは聞く。

「赤ちゃっ・・・出来にくいって・・・自分の力で・・・赤ちゃん・・・作れないって・・・」

「あたし・・・女として不完全・・・なのっ・・・」

「原因・・・わかんない病気でっ・・・・」

「治療もっ・・・今は何にも出来ないって・・・」

俯きながら泣いて話すあたしの頭上で、鼻をすする音が聞こえた。