『もう疲れた。別れよう。』

それは、半年が経った頃。

しばらく連絡が取れなかったケータからの久しぶりの電話で言われた言葉だった。

予想がついていたから、妙に冷静だった。

「・・・なんで?」

『もう嫌なんだよ、疲れたんだよ』

「・・・一緒に居るって、一緒に乗り越えようって言ったのは嘘だったの?」

『そのつもりだったっ・・・でも・・・泣いてるお前を見るのは辛いっ・・・』

「・・・自分が苦しいだけでしょ?嫌になったんでしょ?」

『ちがっ・・・』

「もう、苦しいからこうやって電話だけで済ませようとしてるんでしょ?」

『・・・わかってくれよ・・・』

「そこは理解できない。いいよ。別れるから、ちゃんと会って全部思ってること話してよ。そしたら、別れる」

『・・・わかった・・・』

「じゃ、今から家行くから。」

別れを告げられたあたしは泣いてないのに、むしろ裏切られたって気持ちで怒りすら沸いてるのに、別れを告げたケータが泣いていることが妙におかしく思った。

もう、あたしの心は壊れてたんだと思う。