ぶっちゃけ俺ら、中学の頃からめっちゃ補導されててん。


それこそ少年課でも名物コンビやんな。


まぁ、俺は園長先生に迷惑掛けたくなかったし、これだから施設育ちは、って言われるのも嫌やったからそうでもなかったけど、問題は清人やん?


毎回毎回逃げられるわけじゃないし、単車もナンバーも割れてたしなぁ。


まぁ、そんなん置いといて、とにかく昔から街でもよく喧嘩してたんや。


別に名を上げるためってわけじゃないけど、ガン飛ばしたやら何やらで、すぐ喧嘩になんのが若い頃やんか。


その頃は遊びの延長みたいなモンやったけど、花穂ちゃんが死んで、清人のそういうとこ再発してもうてん。


アイツ、とにかく誰にでも絡んでた。


拳んとこの骨折れるくらい相手のこと殴ることもあれば、絶対勝ち目ないような人数に挑んでボコられたり。


とにかくむちゃくちゃやってん。


このままじゃ死んでしまうんやないか、って本気で思ったし、逆に相手のこと殺してしまうんやないか、って思ったこともあった。


清人の全身が悲鳴を上げてた。


冷たい目で、
でも泣いてるみたいな背中やった。


悲しいけど、
俺ら生きてんねん。


花穂ちゃんは死んだけど、


俺らは生きてんねん。





あの子が死んだとこ、結局俺ら、見れないまま別れたから。


遺体も見てないし、葬儀にも出させてもらえなかった。


だからかもしれない、どっかでそういうの、信じられなかったんかもなぁ。


多分清人は、それを必死で頭で理解しようとしてたんかもしれんけど。


どこからが引き金なんかはわからん。


けど確実に、運命の歯車は悪い方に回ってくことになんねん。