それから三日、清人は帰ってこなかった。


家出少年かい、って感じやけど、俺の言葉が裏目に出たのかもしれない。


清人ってヤツは、いっつもふらっとおらんくなんねん。


決まって寂しそうな、死にたそうな目をした時や。


たまに見たことない服着てたり、知らんアクセつけて帰ってきたりしててな、女のとこやとは思うけど、困った子やで。


どんだけ俺に心配さすんやろう。


喧嘩傷作ってた時もあったし、とにかく相変わらず不安定な部分を持っててん。


仕事はちゃんと行ってるの知ってたけど、俺、お前のかーちゃんちゃうんやぞ、って。


そら、俺も口うるさくもなるっちゅーねん。


清人は確かに格好良い男や。


見た目にしても考え方にしても、俺やなくても憧れるやろう。


けど、昔に増して、弱い部分が増えていってたと思う。


少しずつ、少しずつ3人での時間が減るごとに、アイツ、無理してでも笑う時間が減ってたんやもんなぁ。


俺らの前でも女の存在隠すことなくなってきて、たまにそっち優先させるようになるねん。


無理して3人でおること強制出来んわけやけど、さすがに俺も、花穂ちゃんの顔は見れんかった。


アイツも金属バッド振り回すの卒業した分、そのはけ口が余計に女になったんやろうけど。


それプラス、家に残してきたマサやアユの心配もあったんやろうし、ホンマ、抱え込み過ぎんねん。



「キヨだけ変わったみたいやなぁ。」


「違うよ、それぞれが変わったの。
だからこういうの、仕方ないんだよ、きっと。」


やっぱり俺ら、大人と子供の狭間で揺れててん。


懸命に、懸命に、それでも生きてたんや。