そう言った瞬間に、孔明師範が、懐から拳銃を出し、あたし達に向かって撃ってきた。

 あたしと、遼はふたてに散った。

 孔明師範の銃の音を聞き付けて、孔明師範の手下達がワラワラと出てきた。

「まったく!!」

 遼から預かった拳銃を構えると、あたしは、全ての事に怒りながら、海の方へ逃げた。

 とりあえず、相手は確認した。この情報を、なんとしてでも、南署へ持ち帰らないといけなかった。

 すぐに、孔明師範の手下が回り込んできた。

 あたしは、応戦しながら、遼の姿を確認した。遼も、手下にかこまれていた。まぁ、さすがというか、孔明師範から直々に訓練を受けてるだけあって、あたし達は、ジリジリと岸壁へ追いやられた。

「何かようだったんですか?欄」

 孔明師範が、銃を向けたままこちらへ歩いてきた。

 いつものオドケタ感じはなかった。


そんなに、見られたくなかった相手・・・?


「悪い事企んでるみたいだから、お仕置きしに来ただけですけど?」

「私に、会いに来たんじゃないですか?言ってくれたら、迎えに行ったのに。あぁ、迎えを行かせた相手が気に入りませんでしたか?」

 いつもの、孔明師範に戻った。

 遼が、あたしの所へ、連れてこられた。

「わざわざ、欄を、連れて来たんですか?連れて来る場所が、違うと思いましたが?」

孔明師範が、遼へ言った。

「・・・」

 遼は、何も答えなかった。

 あたしと、遼は、崖の端に立っていた。

 後ろは海、前は孔明師範。

 あまり、よくない状態だった。


ん~。


「欄をどうするつもりだったのですか?」

 孔明師範が、遼にまた聞いた。

「・・・欄は、俺の者にした」

「遼!」

 あたしは、遼をせいした。

 パンッ!

 パンッ!

 かわいた音が響いた。

 遼が、ガクッと崩れ落ちた。

 遼の肩が、みるみる血に染まったのがわかった。

「遼っ!」

 近づこうとしたが、孔明師範の銃が、まだこちらを狙っていて動けなかった。

 その時、孔明師範の後ろに、そっと近づいて来てる、高遠先輩の姿を確認した。


高遠先輩っ!!


間に合ったぁ(-.-;)


 その一瞬の気の緩みだった。