「それが欲しくて、2階から飛び降りたんですか?フェイに言えば、買ってきたのに」

「・・・」

 師範の瞳は冷ややかだった。


「記憶が無くても、やることは大胆ですねぇ。会えてよかったですよ。欄、お前は私の物なんです。言うことを聞きなさい」

 孔明師範は、ネクタイを外しながら、こちらへ歩いてきた。

「私は、物じゃない。私は、あなたを愛してない。奥さんなんかじゃないです!」

 師範の表情が、ピクッと一瞬動いた。

「欄、いい加減にしなさい。お前は、私の物です。誰の物でもありません。私の物です。私から、欄を奪う者は、容赦しません。欄、いいですね」

「あぅっ・・・


 師範の細長い指が、あたしの喉をとらえていた。指に力が加わる。

「く、苦し・・・」

 頭が、ボーッとしてきた。



息がっ・・・(>_<)



 師範の指があたしの喉から離れた。

 あたしは、ガクッと崩れ落ちた。師範は、あたしを受け止め、ベッドへ運んだ。意識が、少し回復した時には、下着姿だけになっていた。師範も上半身裸だった。

「あ……やっ!」

 あたしは、起きて逃げようとしたが、まだ、意識がついて来ず、何もできないでいた。

「欄、いつもみたいに、大人しくしていなさい。いい子にしていれば、すぐに終わりますよ」

 あたしを抱き始めた師範が、ブラジャーを外しながら言った。

 あたしは、その言葉を聞いて、もうろうとしていた意識が、バチッと戻った気がした。

「いやっ!孔明師範!やめてください!」

 あたしは、できうる限りの力で、孔明師範を蹴った。両手首を押さえつけられ、あたしは、孔明師範を睨んだ。

「先程までにはない目付きですね。記憶でも、戻りましたか?」

 全部ではなかった。

 でも、孔明師範のことは思い出した。

「離して下さい」

「お前を抱いてる間はダメです。抱くのに飽きたら離してあげますよ」

「・・・」

「この前、お前を抱いた時のことも思い出しましたか?いつにもまして、可愛い声でしたが、今日も聞けますかね」

「ふざけないでっ!」