「待たねぇって。待ちすぎて気がおかしくなりそうだったんだぜ」

「え?」

「こっちの話し」

 そういうと、遼さんは、自分も上半身裸になった。遼さんは、あたしを後ろから包みこんだ。

「欄の、過去も、今も、未来も全て俺がもらう。いいよな」

「・・・あっ」

 遼さんは、あたしの髪の毛をたくしあげ、うなじにキスをした。何にも考えられなくなりそうだった。遼さんは、うなじから肩へそのまま愛撫を続け、ブラジャーを外しにかかった。



ダメ!



そんなキスされたら、動けなくなる(××)!



なんであたし拒否出来ないの?



これが現実のことだから?



この人の言ってることが、正しいから?



あ、ダメ・・・。



 欄っ!



 頭の奥で、声がした。

 ハッと我にかえって、遼さんに振り向いた。

「どうした?」

「名前・・・。私の、名前、呼んでもらえますか?」

「欄。せがむなよ、気持ちいいことしてやるからな」

 優しい瞳であたしを見つめた。遼さんは勘違いをしたようで唇をうばおうとした。

 あたしは、頭をゆっくり左右にふった。

「欄?」

 遼さんが、ブラジャーに触れようとした。

「イヤッ!」

「どうしたんだ・・・記憶、戻ったか?」

 さぐるように聞いてきた。

「・・・違う。私、遼さんの恋人じゃない!」

 あたしは、立ち上がり、脱がされたブラウスを掴むと、壁の隅に走った。慌てて、ブラウスをはおった。

「悪かった。確かに恋人じゃないけど、欄のことは何でも知ってるし、嫁さんにするつもりだぜ」

 遼さんは、ため息つきながら、あたしの前に立ちはだかった。

「こんなに好きなんだからさ、やっちゃってもいいんじゃない?最悪、孔明師範に捕まったら、一生奴隷だぜ、今のお前なんて。逃げる前に1発すませて逃げようぜ」

「イヤッ!」

「あ~、ボタン閉めなくっていいって。どうせすぐに裸になるんだから」

 遼さんは、洞窟の壁にあたしを立たせると軽々と持ち上げ抱っこする形でニヤリと笑った。

「記憶なくなっただけで、ホントにあの欄とは思えねぇな。これじゃあ、ただの女じゃん。お前がまともだったら、こんなにスムーズに抱けねぇよ」

 遼さんは、呟くとブラウスの上から胸を鷲掴みにした。



いやぁ!(>_<)



誰かっ(>_<)


 思った瞬間に、遼さんがドサッと崩れ、あたしの体は急降下した。