「…」



すると信は箱を開けた



「これは」



まさかもしかしてと思った。



「結婚指輪だよ」



えと私はかなり驚いた。


「いいよね?俺、本気だよ?もう我慢できないんだ」

「わかったわ」



結局OKしてしまった私だった。





「それじゃあ、私これで帰るわ。」

「え?」

「それじゃあ、また」



そう言いながら逃げるようにその場から立ち去って行った。そして私は家に帰り着いた。なんで突然、あんなこというのよと思った。でも実際は嬉しかった自分がいた。けど、けど。なんだか頭の中がパニック状態になりそうだった。



「結局逃げて来ちゃったけど。信。気にしちゃってるかなあ?」



はあー



「お兄ちゃん」



私は思わず泣き出してしまった。なんだか、すごくせつない気持ちになっていた。和也のことがすごく恋しくなってきた。





会いたい、もう一度だけ



『ずっとそばにいるよ』



一瞬、誰かの声が。!この声は和也!和也の声だった


「おっお兄ちゃん?」



そう思いながら私は後ろに振り返ってみた。



『ああ』



と突然、私の目の前に。死んだはずの和也が現れた。あの頃と変わらない優しい笑顔で笑っていた。



「お兄ちゃん」



と言いながら和也に抱き着こうとした。しかし、透明なので抱き着くことは不可能だった。



『アハハ。俺はこれでも死んでいるんだぜ。触れられるわけないだろ』