「なんとなくだけど、あんた、妹のこと正直、うざがってるだろ?」





「そんなこと」




拓也は視線をそらしながら言った




「どうだろ?」




冷やかしている




「言っとくけどな。俺達は幼い頃、両親を失って以来、ずっと一緒に、助け合って生きてきたんだ。はっきり言うと君達に俺達の中に入る隙間なんてないんだよ」





本心だった




「それって、俺らよりも、彼女[彩]を選ぶってことか…」

「ああ」




真剣だった




「母さん、もういいよ…」



すると
由花子が部屋から出てきた



「いたのか…」