「別に気にしないでいいじゃない?私にかまわないで…。ああ、帰ってこなきゃよかった…。」




あえて冷たく接して
これ以上辛い思いするなら
彩自身から離れていこうと思った




「なんだ…怒ってんのか?」




ばか!怒ってるんじゃなくて
辛いのよと心の中で思った





「怒ってなんかないよ…」



視線を合わせようとしない
拓也はちょっとムカっとした



「怒ってるだろ!何か言いたいことがあるなら…はっきり言うんだ…。」




両肩を触り
彩を自分の方へむかせた
彩は大粒の涙を流していた



「はあー…いったい今日はどうしたんだ?泣いたり怒ったり…兄ちゃん、理解できないよ…。」




拓也は来た道を後戻りしようとしていた
すると
彩はまた拓也が自分から
いなくなるような気がして



「タクニィ!」




と叫び拓也に抱き着いた