松原英人


それがあの人の名前だった。



どうしよう…彼が家に来る。

松原さんに学校のこと教えてあげてと言われても…何を教えればいいのか…



「ハァ…」


時間は午後7時になっていた…


私はベッドに倒れ込みながら彼が来なければいいと願った。



コンッ−


んっ?


何かが窓にあたった。


私はベッドから起き上がり、カーテンを開けた。


すると向こうの窓には…



「松原……英人…」


彼の大きな目が私をとらえていた。


私は動揺を隠しながら、


「な…何ですか?」


少し間があってから、

「なんか、母さんが言ってたんだけど隣の家族の娘が同じ学校だって…」


彼の声を初めて聞いた…


「それって…君?」


私……だよね……


私は緊張のあまり声が出せなかった…


なんで私緊張してんのよ…