バタン

ドアを閉めると私は隣の窓に目をやった。


もう引っ越し屋さんはその部屋にはいなかった。しかし一人の男の子が窓から顔を出していた。



隣の窓と私の部屋の窓は本当に近い。下は一階の屋根があり簡単に隣の窓にいけるほどだ。

最初はそれが嫌だった。だけど…



「この人なら…いいかも…」

だって!キレイな黒髪に大きな目…背は高くてクールな感じ…


私は見とれてしまった…



すると彼は視線に気付いたのか、彼と目が合ってしまった…!



「うっ…」


変な人かと思われたか?


わっ!まだ見られてる…


彼は数秒私を見た後、何事もなかったかのように家具の整理をしだした。



「へっ…何それ…無視?」

でも少し安心…



『香澄〜!また来て〜』


もう!



「何?お母さん」



すると松原さんがニコッとしながら

「うちの息子。英人に学校のこと教えてあげてくれないかな?香澄ちゃん。お隣り同士だし」


「そういうこと」

とお母さん。



ウソでしょ…私変人って思われてるかもなのに…


「嫌…こういうことは男子のほうが気軽に…」


「頼んだわよ!じゃあ松原さんまた夕方に」


「そうね。その時に英人をつれてくるわ。じゃあね」


バタン



緊張しすぎて汗がでてきた…だけどドキドキのほうが何倍も勝っていたんだ…