家の前につくと松原君が振り返って、


「今日はありがとう…楽しかった」


優しい目で私を見て言った。
私はその顔を見て、なんだかドキドキした。

本当に私は松原君のことが好きなんだな…


心の中では諦めたつもりでも、やっぱり好きだ。



そんなことを思っているうちに松原君は家に向かっていた。




部屋に戻ると、隣の窓に明かりがついた。



私は窓を開けると、


「松原君!」



松原君が私に気付くと、すぐに窓を開けてくれた。


「どうした?」


「うん…」


なんだか自分の気持ちを素直に伝えられそうな気がした。


「私ね…」


私の心は素直な気持ちはでいっぱいだった。


「私…」



松原君がじっと私を見ていた。



「松原君のことが…」


プルルル♪


「へっ…」


力の抜けた声が出た。


携帯がなった。


「香奈…」


私は携帯を開きながら松原君を見た。


なんだか元気がない顔をしていた。



「どうしたの…香奈」


メールを開くと、



[明日、松原君に告白してみる!
ずっと考えてたんだけど…私やっぱり松原君が大好きだから。]



「香奈…」


嘘…どうしよう…

香奈が今告白しても、松原君はまだ…沙織さんのことが…


でも、もし二人が付き合ったら?



私は松原君を見ると、心配そうに私を見ていた。


「松原君…私…」



どっちにしたって、私は松原君を見ていることしか出来なかった…


もう、自分の気持ちは言えなかった。


好きとは、言えなかった。