土曜日の午前10時。
私はベッドの上でぼんやりと天井を見ていた。



一つの恋が終わると、世界が変わる。


キラキラしていた朝の光が、今はただ眩しい。


土曜日の朝は、松原君に会えないと思うと、早く月曜になってほしかったのに今は…なんの感情もない。



今でも好きなのに、前の好きとは違う…何かが違う。



そんなことを考えていると、10時になっていた。


「松原君…部屋にいるのかな?」


私はのそのそ起き上がると、窓を開けた。



「…!!」



「蒼井…おはよう」



窓を開けると、いきなり松原君が目に入ってきた。


「お、おはよう…早いね」


「そうか?」



なんだかいつもの会話…



「何してたの…」

でも、私は普通に話せなかった。


「う〜ん。窓開けてくれないかな〜って思ってた」


「えっ?」



「急に、蒼井と話したくなってさ。何でだろうな」



「はぁ…」


なんだか、何事もなかったかのような雰囲気に私は少しまだ戸惑っていた。


でも、なんだか嬉しかった。風景がさっきよりも明るくなった気がした。



「なんか、こうやって普通の会話を窓から話すの久しぶりだね…」


私は下を向きながら話した。



「そうかな?そういえば、そうか…あっ!近くの公園で夜、花火しないか?」


「花火?もう秋だよ」


「まだ夏のが残ってるんだよ…」



花火かぁ…


「うん。分かった」


夜9時に公園に行くことになった。



でも、いきなりどうしたんだろう…花火って。


昨日のことで、変な空気になったからお詫びとか?


「それ…有り得るかも」


それでかぁ…なんだ…



そんなことを思いながらも、ドキドキしていた。