「松原君!」


今、言わなくちゃ…



「もし…沙織が今生きていたら…松原君を好きな人は振られちゃう?」


松原君は少し考えてから、


「そうだね…今でも好きだから…沙織が…」



………


「そっかぁ!じゃあ私帰るね!バイバイ」


明るくふるまうと、教室をでた。





走って、走って、走った


昨日から、走ってばっかり。


昨日から、傷ついてばっかり。




運動場にでると力が抜けた。

私はその場に座った…


「振られちゃった…」


体が震えた。


目頭が熱くなった。


涙が流れた。


また…涙が流れた…昨日も散々泣いたのに…私もいい加減強くなりなよ…



「側にいたいなぁ…」



側にいたいだけなのに…

好きになって欲しいなんて贅沢言わないよ。


少しでも、私のこと考えて欲しいだけ。




つい最近、好きだって実感出来たのに…


もう終わるの?



涙が顔いっぱいになる。




その時は知らなかった。


教室から松原君が悲しそうな顔をして私を見つめていたことを…



そして、屋上で彩夏が泣いていたことは…