「もう終わりにしようって、どういうことよ!?」手振りを交えて叫ぶ山本先生。

対する人影は、対照的に静かに、半ばうんざりするように言った。
「その方がいいでしょ。先生の為にもさぁ。このまま続けたら、バレますよ?」

「もうバレてもいいわ。私、あなたが本気で好きだもの」

え!?
先生!?今何て言いました?
もしかして、その人影と付き合ってるのですか!?
あまりの驚きに、足元の小石を蹴ってしまった。
コツン

と小石が壁に当たる小さな音がする。

まずいっ

慌てて窓の下に身を隠したけれど、
どうやら先生には気づかれていないみたいだ。

よかった

またそろそろと顔を向けると、男が口を開いた。本当に呆れたというような、盛大な溜め息をつきながら。

「はあぁ…本当に馬鹿だな、あんた。もう少し頭の良い女だと思ったのに」

「困ることになるのは、あんたなのにな。まあいいけど、俺が迷惑だから止めてくれる?
こっちは全然遊びだよ。でなきゃ教師なんかと付き合わないよ、面倒くさい」

何なんだ、この男は。
口振りから生徒みたいだけど…
ていうか何!?酷すぎる!!
先生も驚いて言葉が出ないようだ。


「ねぇ、遊びのままだったら良かったのに。こうなったらもう終わりだよ。残念だったね」

全く残念そうでなく、むしろ嘲るようにその生徒は言った。


「これで最後。もう終わり」


そう言って、その男子生徒が先生に近づいた。

そして、先生の腰を引き寄せて-


キスを、した-