水道の蛇口を思いっきり捻る…


勢い良く流れる水を見て

何を思ったのか…無意識に、握ってる携帯を水に当てた。



こんな物があるから
"空"からの連絡を待ってしまうんや

それなのに、鳴らなかったら鳴らないで
役立たずの四角い機械にイライラする。


だから、今の俺に
こんな物要らないんや。



両手で頬を思いっきり叩き、意味なく気合いを入れる


『よし!戻ろ。』


蛇口を閉め、濡れた携帯を手に取り
トイレに設置してあるゴミ箱に捨てた。




みんなの場所に戻ると…

いない間に席変えをしたらしく

自動的に空いてる席に座る



「光〜何してたんだよ〜」

そう言って、斜め前の席から声をかけてきた"貴史"



『すまん。電話やった』

正直に話す、俺…。


「また、空ちゃん?笑」


『違うし。絡んでくんなや!』


「はいはい〜そうですか(笑)」



何か言いたげそうに

ニヤニヤ笑う貴史を見てたら…

腹が立って来た!




〈ねえねえ〜空ちゃんってだぁれ?〉


『あぁ!?』




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