《着信*空》



登録名は、いまだに《空》のまま…。


名前を見ただけで、こんなにも暖かい気持ちになる



ピッ!


『はいよ!?』


「あっ、光!?何処…おるん?」


遠慮がちに聞いて来る空…



『貴史たちと飲んでる!どーしたん?』


「いや〜何もないんやけどね…笑」


『そっか。ほな〜切んで!』


ピッ…



一方的に電話を切ると…空と撮ったプリクラ画像の待受が姿を表す。



携帯を握りしめたまま、鏡の前に立つと

向こう側に、空とソックリな顔が映っていて…

目頭が熱くなるのを感じた。





俺は、空を諦められるんかな?

この数日間…1日が凄い長く感じた

いつもいるはずの空がいない、俺の右隣は…やけに寂しかった。





もしかしたら、今の電話だって

気を利かせて掛けてくれたのかもしれない。

俺の様子が変やから、気にして掛けてくれたのかもしれない!



なんて…勝手に都合のいい解釈をして…

俺の心臓は、勝手にドキドキするんだ。




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