受付を済ませて、言われた部屋に着くなり…いつもの如く


「ビール!!」の一言。


『はいはい〜』



ビールを注文し、来るまでの間…一切口を開かない空に

声をかけて良いのか分からなくて、俺まで無口になる…




目の前に座る空は、何回も脚を組み直し

そんな空の…変な所にばっか目が行く俺…。



正直…目のやり場に困るから、苦笑いしか出て来ない。



「光?隣、来て!!」

そう言って、隣をポンポンと叩く。



『はいよ〜』


言われた通り隣に座ると、空が抱き付いて来て


「本物の光やー。」


って、俺の肩に顔を埋めながら空が言う。



心の中で "ん?本物?" って思ったけど…


あえて、聞かない。ってか…聞いても良い返事が来なさそうで怖い。



「離れたくなぁいー。」


『今日、何か変じゃない…?』


「失礼な!!だって、ずっと一緒におりたいんやもんー…」



普段、こんな事…絶対に言わない空が

今日は、何の躊躇いもなく言って来るから

そんな空に…心なしか違和感を覚える…。


『ほんまに…どうしたん?何かあった?貴史と喧嘩でもしたんか…?』



お前が、空と貴史の心配するなって?


心配じゃないで?俺かて、茜がおるけど…空と貴史に別れてもらいたい。やから、喧嘩して別れたら良いのにって最低な事を思っただけ。



「あほ…。ここで貴史の名前出すなぁー…。」


『ごめん…。変な意味じゃないねんで?いつもとちゃうから心配になってん…。』









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