━数日後━
明け方に目が覚め、辺りを見渡すと まだ真っ暗…。
そんな真っ暗な部屋の中で、携帯がピカッと光った。もちろん俺の携帯
隣で眠る茜を起こさない様に、そっと携帯を手に取り中を見ると…
━受信*空━
空からメールが来ている…
受信時間を見ると、まだ10分くらい前。
焦る気持ちを抑えて、ゆっくりと受信メールを開くと…
《会いたい。駐車場で待ってる。来るまで待ってるから!》と
絵文字も何もないメール。
気がつくと、何も考えずに家を飛び出していて
すぐ側の駐車場まで全力疾走していた。
車の中には…運転席に座り、俯いたまま動かない空の姿が…
助手席のドアを開け、車に乗り込むと
ハッと顔を上げた空。
「やっぱり来た。」
そう言って笑う空の顔は、ほんの数日後みなかっただけなのに
また、やつれていた…。
『たまたま、起きてたからさー』
「会い…たかった。酷い態度取ったけど…やっぱり無理やった…。この一年我慢できたけど、近くにいるのに会えないと辛い」
ハンドルに顔を埋(うず)めながら話す空の太ももに、涙の跡が出来てて
俺の意志は、呆気ないくらいに脆く崩れ去る。
『俺も会いたかった。』
手を伸ばせば、届く距離に空がいるのに
手を伸ばして抱き締められないのは…
ここが近所で、誰に見られてるか分からないって言う
警戒心からか、それとも理性からか…。
短くなった自分の髪を触りながら、空が言う。
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