「アイツ…ほんまに、やかましい奴やな…。あんなんが友達とか恥ずかしいで…」
『大和…辛口やな(笑)」
「てか、光に言いたい事ある。空も聞いて!」
そう言うと、いきなり真顔になる大和…
『なに?』
「二度と言わないから良く聞け。お前さ、ほんまに何も言ってくれんかったけどさー全部分かってるつもりやから。光も空も親友やと思ってるから…今回の事は、自分の事みたいに辛い。上手いこと言われへんけど、2人とも幸せになってもらいたいんや!やから…空…?」
そこまで言うと、空の元に行き
腕を引っ張って俺の前に連れて来て…
「もう、あんま時間ないけど…始まるまで2人でいろ。誰も来ない様に外で見張っててやるから」って、出て行った。
大和…。
壁にかかった時計に目をやると、後20分しかない…
『なあ…空…』
大和の言葉にビックリしたのか、目を丸くしたまま動かない空の手を握った。
「大和…」
これは、大和がくれた…優しさ、
無駄にするなんて事は出来ない。
『空…渡したい物があるんやけど…』
家を出る時、忘れずに持って来たもの。
「なに?」
近くに置いてある鞄の中から、封筒を取り出して空に渡す。
中身は手紙じゃない。
封筒の中身を見て、空の顔が次第に曇っていく
「これ…」
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