真っ白で統一された控え室とは裏腹に

まるで、俺の気分を表してるかの様に

ひと雨 降りそうな曇り空。



目の前の鏡に…タキシードを着た俺が映っていて

自分なのに、第三者みたいな気分で見下す。



「光…幸せになりなさい」


そう言って涙ぐむオカン。




白々しい。幸せになりなさい?

なれる訳ない事ぐらい、その小さい脳みそでも分かるやろ?


『喋んな。』


オカンの声を聞いただけで虫ずが走る。


不愉快極まりない…。



「光…。お母さんの気持ちも分かって頂戴。」




コンコン…


控え室のドアがノックされ、開けると

空と貴史と大和が立っていた。



「まあ、貴史君と大和君!久しぶりね。今日は来てくれて、ありがとう」


いきなり、声のトーンが上がるオカン



貴「こ、この度は…」


無理して敬語を使おうとしてる貴史に、
少しだけ和んだ。






オカンと世間話を始める貴史を横目に、大和の方を見ると苦笑いをしている



「空!!いつまで、ふてくされてんの!!」


ドアの前で俯いたまま立ち尽くす空に向かってオカンが怒鳴った…



その時…入って来てから、ずっと黙ったままだった大和が

空の前に立ち、空を庇う


「おばさん!きっと、空も寂しいんですよ!やから、今日は怒らないであげて下さい!!」

って、白い歯を見せて笑う。







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