この後に及んで、未だに心の底から決心しきれてない俺がいる…
もう、どうする事も出来ない事は
嫌ってくらいに、良く分かってるつもり…
やから、決心も何も…諦めるしかないねんけど
往生際の悪さだけは天下一品。
『俺…まだ二十歳やって…』
もし小さい子供みたいに、泣き喚いたら
何か変わるんやか?
『…………。』
頬に涙が伝って、ポタポタと落ちて行く。
好き過ぎて涙が出てきた…
男のクセに、好きやから泣くとか情けなさすぎるけど
我慢しようとしても、俺の気持ちに関係なく溢れてくる…
こんなにも愛してるのに…
なんで、もっと上手に
思ってやれないんやろ…?
こんなにも思ってるのに
なんで、踏み出す勇気が
出なかったんやろー…。
カーテンの隙間からもれる外灯の光りが目障りで、力任せに思いっきり閉めた
他に当たっても仕方ないのにーー。
トイレに行こうと思い、部屋から出ると
海達の部屋から話し声が聞こえる…。
(まだ、起きとんのか…?)
そっと寄って、ノックをしようとしたら…
「うわぁーん」
って、海の鳴き声が聞こえて来た
(え?何で泣いてるん…?)
「泣かないの。大丈夫やからさ…」
そう言う、空の声も震えている
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